(2)営業支援システム(SFA)の現状について【コンボイ社訪問記録】

ユーザー企業訪問 コンボイ社訪問記録
訪問先: Convoy
Corporation
  2000 Powell Street, Suite
1380, Emeryville, CA 94608

Tel:510-601-4950 Fax: 510-601-4940
応対者: Mr. Bob Tate(Vice
President, Channel Marketing, Vantive Corporation)

Ms. Linda Pirrotta(Senior Account Manager,
Vantive Corporation)

Ms. Marjorie Davies(Director of Information
Systems)

Mr. Bob Tate
Ms. Linda Pirotta
Ms. Marjorie Davies
Mr.
Bob Tate
Ms.
Linda Pirotta
Ms.
Marjorie Davies
▼企業の概要
 コンボイ社は、統合業務パッケージ(ERP)企業として知られるピープルソフト社の関連企業として、同社の企業向けアプリケーションへの既存データの移植を行うためのソフトウエアツールの開発を業務としている。同社製品は、製造業、小売業、金融業、物流、教育といった産業分野における社内システム構築の技術者等に利用されている。

◆企業データ
本社所在地: 米国カリフォルニア州エメリーヴィル
パウエルストリート2000
Tel.510-601-4950
創立: 1993
支社: 米国内7カ所、海外オフィス所在国:2ヶ国

▼説明内容
(ア)Vantiveの会社概要
 
1990年創設
創業者のビル・デヴィッダーはインテル社の元セールス担当副社長。
統合顧客関係管理システムを取り扱う。ウエブ上のアプリケーションである。
NASDAQ上場企業で、昨年売り上げは1億6300万ドル。
759件の取引先を持つ。昨年新規は290件。
研究開発予算は、昨年度は売り上げの17%。スタッフ600名。
製品のSFAツールは、ソフトを5つのモジュールに分けている。
(1)マネージャーの売り上げ予測数値把握(Vantive Sales)

(2)コールセンターの役割、リクエストのトラッキング(Vantive Support)

(3)エンジニアの管理(Quiality)
(4)現場での修理、パーツ交換等(Field Service)

(5)社員の生産性向上(Help Desk)
日本での代理店は三井物産
   
(イ)Convoy Corporationについて
 
昨年は670%成長。Vantiveでも技術の支援をした。
データ移植を行っているが、カスタマーサポートをWeb上で実施しているという特色がある。
→Personal Info、トラブルシューティングなどのキーワードを入れてサーチすると、Vantiveのデータベースから問題と対応が出てくる仕組みになっている。自分で回答を入手できることで、コールセンターのようにお客が待たされ、時間をロスすることが避けられる。

→エンドユーザーが直接回答を手にすることができるが、解決できない場合はレポートを出す。そこでチケット番号がもらえ、解決されるとメールで通知される。迅速さが顧客満足度を高める。
→セールスサポート、ユーティリティー、早期対処を促すアラーム、24時間の受付体制 。

質疑応答

Q:

(Convoyのサービスについて)Web上で無料で受け付けられるということか。 数千社規模の顧客になっても大丈夫か。お客さんにはシステム導入の必要はないのか。
A: Web上のサービスになるので、インターネットにつながっていて、ブラウザがあれば、 特にシステムは必要ない。顧客にはIDを提供するので、それを入力すれば無料で
サービスを受けられる。何百万社でも対応可能である。
   

Q:

Convoy社のように急成長した企業は人材の確保やオフィススペース、社内の管理など、大変だと思うが、どのように管理しているのか。
A: 4ヶ月で規模が2倍になったので、人材の採用、オフィススペースの不足は深刻な問題になっている。増加するクライアントにたいしてサポートチームを増やさないといけない。これも深刻な問題になっている。それは事実だ。
   

Q:

Vantiveのデータで昨年利益がダウンしているが、その理由は。
A: サービス料がライセンス料を一時的に上回り、収益が悪化したことがその理由。現在は立て直された。急成長していく際にはよくみられる現象であるが、これでも株価は上がっている。西海岸の企業では、収益が下がっているのに、株が上がるということがよくある。
   

Q:

Vantiveは顧客サービスの部分も扱っているが、SFA企業という区分でいいのか。
A: そうである。Vantiveはフロントオフィス全体を取り扱っている。
   

Q:

1ヶ月あたりの訪問件数、回収高等のデータは出るか。
A: Convoyの例でいえば、契約締結額と決済金額を組み合わせたり、バックオフィスのデータを組み合わせることも可能である。
   

Q:

中小企業がSFAツールを利用する場合、データを入れきれないというのが最大の問題になっている。アメリカではそのあたりの問題はないか。
A: 営業マンがデータ入力をしたがらないのは万国共通。アメリカが特殊なわけでは 決してない。そこで、必須入力項目をしぼったり、ドロップダウンメニューを用意したり、携帯端末を持っていってその場で入力したりということで対応している。
   

Q:

必須項目だけではこと足らないのではないか。
A: セールスマンが正確な数値を出したときには、報奨金を出すような仕組みも作っている。メニューを簡素化するカスタマイズは簡単。コンボイでは、システム導入から間がない
ので、現在、カスタマイズを平行して進めている最中である。
   

Q:

セールスステージのどこにいるのかという入力が自己申告になるため、主観で左右されがちで問題になっている。ロジックを入れて、これとこれをいれたら、このステージという判断をするような仕組みはないのか。
A: ステージの過大評価もよくあること。正確かどうかマネージャーがチェックすることであると考えている。
   

Q:

オペレーションコストを入れた価格はどのくらいか。回収はどのくらいでできるか。
A: コストは必ずしも安くない。ライセンス料は1ユーザー年間3500?4000ドル。 実行コストはその1.5?2倍である。投資額の回収には12?15ヶ月かかると
考えている。
   

Q:

見込みも自己申告だといい加減になりがち。何かチェックのノウハウはあるか。受注と売り上げのチェックはかかるか。
A: 要求されているタスクをクリアしていかないと次のステージに行けない形になっている。
   

Q:

なぜ、バンティブの製品を選んだのか。
A: シーベルなども検討したが、カスタマイズが難しかった。一対でデモをしてもらい。メンテナンスを含めたコストもあわせて検討し、その結果、カスタマイズも楽で、サポート面も徹底しているということでバンティヴに決めた。

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