(5)ノルウェー・ニトラ社クラフトオーナーの講演会

-調査結果
ノルウェー・ニトラ社クラフトオーナーの講演会
▼ニトラ社のクラフト氏の講演会
対応者:クラフト氏

●ノルウェーの概要
 ノルウェーは日本の約9割の面積(ノルウェー本土と比較されていると思われる、周辺諸島を含めるとほぼ日本と同じ面積になる)に約440万人が暮らしている。オスロ周辺で約70万人、市内で約50万人の人口である。対日輸出は鮮魚が中心である。ノルウェーは、北海の石油資源と水力発電による安価な電力に恵まれ、科学者とエンジニアの割合が高い人材、安い法人税(28%程度)、安定した政治という点で企業誘致に対して優位である。

ニトラ社クラフト氏講演の様子

 情報技術に関しては、石油(探索や埋蔵量計算)、森林(保全と雪解けによる水力発電量の計算)に対する情報化が国をあげて行われている。また、企業に対するアンケートでは、インターネットに接続する及び接続する予定が8割、また、4割がホームページをもっており、3割が開設予定と情報化に対する意識が高いと言える。

●ニトラ社の概要
 ニトラ社は、国際的なマーケティング・コンサルタント会社で、1987年に創設された。市場調査、市場戦略、フィージビリティー・スタディー、技術移転、パートナー紹介、などが主な業務である。取引関係はヨーロッパを中心に銀行、自治体をはじめいろいろな業種にわたる。日本では、ソニー、東芝などの大企業の他、経団連や岐阜県のソフトピアジャパンとも関わりがある(クラフト氏は、平成8年にソフトピアジャパンを訪問)。
 ビジネスマッチングを行う際に2つの手法がある。ひとつは、Accidental Methodと呼んでいるが、調査などをかけずにすぐに契約を結ぶ手法である。北欧では比較的すぐに決めたがる傾向があり、しばしばこの手法が用いられるがトラブルも多い。もうひとつは、System
Methodと呼ばれる調査などをきちんとする手法である。後者の手法をとった場合、我々は、経営戦略・解析を行った後に、調査を行い、パートナーを捜すといった手順で業務を進めている。

(辻団長のコメント)
 日本の鎖国による企業文化や民族文化が原因しているのか、中小企業は海外と仕事をやりたがらない。クラフト氏は日本語も流暢であるし、是非、この機会に海外進出を行っていただきたい。

▼質疑応答

Q:

北欧は情報化が進んでいるといわれるが、産業としてはどのような点で進んでいる  のか?
A: ハードウェアメーカーとしてフィンランドのノキア社やスウェーデンのエリクソン社が有名であるが、ソフトウェア産業はノルウェーでも盛んに行われている。ノルウェーと日本の関係に限定すると、長野市とタイアップして、ペットボトルと缶を(画像処理を用いて)仕分けをする機械のテストを行った。

●クラフト氏を囲んだ夕食会
クラフト氏による講演会の後、宿泊ホテルのブルストルホテル内のレストランにてクラフト氏を囲んで夕食会を開催した。

クラフト氏を囲んでの夕食会

●クラフト氏と個別の面談
夕食会後、クラフト氏と個別に時間をとっていただき、個別に面談を行った。

◆ソフトピアジャパンの近況について報告
 ?日本電気社屋建設開始、NTTドコモ東海の進出

 ?7月より安藤氏が再び(財)ソフトピアジャパン副理事長として就任予定

 ?ドリーム・コアの開設

◆国際インキュベートセンターの概要説明と入居企業について説明
 ?クラフト氏と関係がある北欧企業の日本事務所として活用できないか提案

 活用する見込みは現時点ではないが、国際インキュベートセンターを活用する
 企業または方法があれば紹介していただくことようにお願いした

◆今後の活動について
 ?クラフト氏は、今年9月に来日し、名古屋・岐阜を訪問する予定

 →ソフトピアジャパンを訪問できるように調整を依頼した

 ?引き続き、インターネットを用いた情報交換を行う
 

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