(6)現地経済事情等【ジェトロサンフランシスコ訪問記録】

現地経済事情等
ジェトロサンフランシスコ訪問記録
訪問先: JETROサンフランシスコ事務所
  235 Pine Street, Suite
1700, SanFrancisco, CA 94104

Tel:415-392-1333 Fax:415-788-6927
応対者:
温井氏(左) 後藤崇氏(右)

次長 温井氏(左) 後藤崇氏(右)

▼組織の概要
 日本貿易振興会(ジェトロ)は昭和33年(1958年)に、貿易を総合的かつ効率的に実施するための中枢機関として設立。当時は輸出の振興業務を中心としていたが、80年代前半頃から貿易黒字の増大、経済摩擦の激化などの事態に対応して、輸入促進の業務を中核に据えて今日に至る。このほか、発展途上国の裾野産業育成、先進国との産業協力促進、地域経済活性化支援、国際交流の促進などの事業も展開。海外80カ所に事務所をもつ。担当地域は、アメリカのうち、アラスカ、北部カリフォルニア、アイダホ、モンタナ、北部ネバダ、オレゴン、ワシントン。

▼現地事情説明
サンフランシスコ市
 
75万人のうち、25万人がチャイニーズ。日本人も1万2000人。ヒスパニックを入れると、半分が有色人種という構造にある。
ロサンゼルスの方が人口、規模とも大きいが、実際の経済力から見るとそれに匹敵するものがある。
   
電気・電子機器生産では、全米の約24%がカリフォルニアに集中している。
   
全米のベンチャーキャピタル投資のうち、約25%はシリコンバレーに集中しており、特にコンピュータ系分野のベンチャーキャピタル投資は47.1%がカリフォルニア州に集中している。
   
このようにシリコンバレーには、ハイテク系企業が極度に集中しているが、土地がないことから、家賃が高くなっており、若い人が住めず、デンバーやアリゾナ等へ出ていく傾向にある。
   
日系企業は全米で1755社あるが、カリフォルニア州には273社が集まっており、日本にとってはなじみの深いエリアであるといえる。

質疑応答

Q:

ベンチャーキャピタルの投資が多いのは銀行が金を貸さないからなのか。
A: ベンチャーキャピタルというが、実際にはエンジェルの果たしている役割が大きい。彼らは自分のつくった財産を投資するわけだが、回収を前提とした考え方ではない。10のうち、2?3成功すればいいというやり方である。それで、十分利益が上がる。
   

Q:

配送センター、ストックセンターがほしいと考えているのだが、陸送の便はどうであるか。
A: シアトル、ロングビーチには鉄道があるが、他はトラックでの輸送。ただ、東海岸まで行くには1週間からひどい場合1ヶ月近く時間がかかるのも事実。トヨタUSAあたりでも、5日?1週間くらいの在庫をもたないといけないと聞いている。
   

Q:

情報化投資による好景気といわれるが、実際のところはどう考えるか。
A: 情報化による生産性の違いは確かにあると思う。アメリカでは電子メールによるコミュニケーションは常識となっているが、日本ではまだまだFAXなどに頼った状態である。
例えば、銀行あたりでもFAXでは意思決定が遅れてしまうという。結局はコンピュータ教育の遅れが原因だとは思うが、その意味での意思決定の早さが生産性を向上させていると思う。
情報産業について言えば、アメリカはパソコンレベルの技術においては、ほぼ独占状態であり、成長株の情報産業をアメリカがねこそぎ持っていっている状態であると思う。

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