(8)深セン市内IT関連ハード企業訪問


-調査結果-
黄行政総裁講演
黄行政総裁(最高経営責任者・代表取締役)講演、懇談
 
住所: 香港新界工業科技中心上水広場2118室
立会:

P.C.Ku 谷平昭(黄氏の秘書)

▼講演録

内容(「The PearlRiver Delta Software Alliannce」レポートによりプレゼンテーション)

・中国IT産業の主要地帯
中国大陸のIT産業は、三つの区域の分かれている。一つは南の珠江デルタ(香港・深せん)。二つ目は揚子江(南京・上海)、三つ目は渤海周辺(北京・大連・瀋陽)。中国のIT産業の中心地は、この三つの区域です。珠江デルタは、中国IT産業で一番大きな区域で、全体の約45%の実績を占めてる。東莞市辺りは、電子工業関係では最大の地区となっている。香港政庁が出した最新統計では、香港のIT技術者は2万2千人から2万5千人いる。独立しているISDは、650から700ある。ソフトウェアの技術者から見ると深せんは、香港の倍ぐらいいる。深せんのソフトウェア技術者は、約4から5万人 、独立しているベンダーは800から1000ある。東莞は深せんと広州の間にあるが、ソフトウェア技術者は7千人から1万人 、独立ベンダーは200から300ある。広州ではソフトウェア技術者は3 万人から5万人、独立ベンダーは900から1100ある。その他は、珠海と中山と続く。広州と珠海には、国立のサイエンスパークがあり外国資本を誘致するための特別な措置がある。南海には広東省のサイエンスパークがあり、香港にも科学科技園がある。これら区域全体で、11万人から15万人の技術者と3千から4千社の企業がある。ほとんどが中小企業で、1社当たり20名前後の規模です。私たちが区域の中で連携している理由は、ソフトウェア関係では特定の町だけが成長するのではなく、相互にサポートし成長することが大切と考えるからです。古い慣習にとらわれず、外部と接触するような広い視点が必要です。

・香港ソフトウェア企業の現状
80から90年代の香港のソフトウェア企業は、「自給自足」でやってこれたが、現在ではソフトウェア関係の仕事をする人が増えてきた。こうした状況をどのようにサポートしていくのか課題を抱えている。そのため香港以外の場所(市場)を求めていかなければならない。日本も同様だと思います。域内(国内市場)が飽和状態なので、外部に向かって発展していかなければならない。それは中国本土と海外の市場です。現在、香港には3つの市場がある。域内市場、中国本土と海外です。海外は主にアメリカです。珠江デルタ地区でも香港と同様に、ソフトウェア企業は規模が小さい。しかし、ソフトウェア企業は規模の大小ではない。小さい企業ほど革新的な仕事ができる。しかし会社が小さいと品質改善のスピードが遅い。また、小規模企業が多く、市場が小さいと過当競争に陥る。その結果、資源の無駄使いになる。小規模企業は、資金不足で大規模プロジェクトに参加できない。これは、現在香港企業が面している問題です。

・世界のソフトウェア市場と中国
インドのソフトウェア輸出については、最近中国でも話題になっている。そ の統計調査から見ると、2001年インドから輸出したソフトウェアは73億 米ドルで、今年は90億米ドルと見込まれる。この資料はアメリカマンチェスターの大学のものであるが、過去十年間の平均で毎年41%の成長がある。この数字はとても印象的です。これらの状況を分析すると、中国大陸のソフトウェア市場は2001年で68億ドル。1995年から2001年の間の年平均成長率は31%です。これは、中国GDP成長率のの3.5倍です。成長はとても速い。この資料では、中国のソフトウェア市場は71億米ドル(データサービスを含む)。世界市場の1.2%を占めている。米国(ソフトウェア市場)は 、国内輸出合わせて2400億米ドル、世界市場の40.3%を占める。日本は、世界市場の約10%を占めている。ほとんどが国内需要です。インドは、世界 市場の1.5%を占めている。台湾は同じく1.5%、輸出が多い。韓国も1.4%で、ほとんどが国内需要のみ。この統計は昨年のものですが、中国シェアは1.6%まで伸びてきている。この統計は、中国と他の国を比較した相対的なものです。中国大陸のコストはとても低い。米国はとても高い。金額換算で比較しているので、わかりやすいですね。中国とインドの数値は、同じくらい。今年は両方とも90から100億米ドルになっていますが、インドはその90%が輸出です。中国はその95%が国内消費となっている。中身は全然違う。この数字から市場の特徴、割合がわかる。これは、先週香港政府から発表された報告ですが、2005年に 中国のソフトウェア生産高は300億米ドルになる。国内、輸出を合わせて世界シェアの3%にアップする。

・ソフトウェア産業の育成
もうひとつの目標は、中国大陸で100以上のソフトウェアブランドを作り出すことです。世界的なブランドは20社程度。日本は世界第2位の経済大国 ですが、ソフトウェアブランドはない(ゲームソフトを除いて)。だから私たちが直面している問題は同じ。日本はローカルブランドはある。中国はローカルブランドを作り出す段階。 チンデイ、ホンチ、ヨンヨ、トムランは中国ブランドです。そのため中国政府はいろんな支援策を考えている。中国はソフトウェアを重点産業にしようと考えている。中国のソフトウェア産業は、既存の産業(製造業・石油精製・化学など)から支援をもらって、その結果、新技術と応用方法を開発することで、既存産業にサービス提供することができる。ソフトウェア産業は、既存産業に サービス提供していかないといけない。そうでないとこのような関係ができない。そのためには、人材教育が重要で、毎年400人程度、ソフトウェア関係の大学教育ができる環境が必要になる。大学生でない人にはその種の職業訓練が 必要です。中国全土でソフトウェアパークを11カ所設置し、県レベルのローカルパークを20カ所程度建設しなければならない。もっと重要なことは、政府が産業を特定し、eガバメントを構築することです。ここでeガバメントができれば、他の産業に波及していく。私たちの各企業は小さく力が弱いので、連携して取り組まないとこのような市場に参入できない。だから香港の企業と日本の企業が協同できるかどうか調査しているところです。

・香港の展望
中国政府では、香港の位置づけ・役割は外国の技術が香港を経由して大陸に入ることを考えている。新しい技術は、中国大陸に入る前に中国人が慣れないといけない。そうなればやはり香港・深せんでまず先に、そして応用になる。 珠江デルタの企業は、自社製品を香港経由で販売したいという期待がある。 かつて香港は物流のハブ機能を担っていたが、これからはソフトウェア・テクノロジーの輸出入を行うことになる。ネットワークで取り引きするようになる。 ソフトウェアの輸出は、税金の払い戻しが多いので利益が出る。中国大陸で 開発したソフトウェアは、増値税を払わなければならない。そのため、税金のインセンティブ制度は大変魅力的だ。 ソフトウェア関係の脱税を監視するための機関を北京に設け、チャックしている。ソフトウェア製品を外国に売り出すためには北京で検査を受けなければならない。

・知的財産の保護
そのためのシステムを今作っている。それは、3段階のシステムになっている。?登録?規格のチャック?知的財産の版権保護中国政府は、法改正して知的財産の版権を保護している。欧米・日本と同様 の制度になった。自分の知的財産は登録すれば保護される。しかし、他人がコピーした場合は、民事裁判で争うことになる。そのための時間と金と掛かるが。一番レベルの高いのは特許を登録することです。その場合、他の人がまねても簡単に告訴できます。

・オープンソースプロジェクト
中国は一つの運動を行っている。世界的にも有名ですが、オープンソース(「公開資源」)を守ることです。政府の中でリナックスのソフトウェアを使って、この運動をサポートしています。リナックスを使って2つのプロジェクトをやっている。?啓航(チーハン)工程・・出港?揚帆(ヤンハン)工程・・帆を張る このプロジェクトの目的は、中国のテスト地区でのスタンダードを作ることです。マイクロソフトの新製品は、ニュースタンダードで古いものは使えない。これは良くない。リナックスを使って、中国スタンダードとして統一していく。アメリカのシリコンバレーでもオープンソースが進んでいるが、中国はもっと進んでいる。アメリカの新製品が出る度に、お金を出してフォローしていかなけれはならない。中国政府のオフィスでは、マイクロソフトを使う場合、システムが違うため互換性がない。リナックスを使って標準化し、各部署で情報交換しやすくして、意思疎通を容易にしていく。そのため、中国ではリナックスは速く成長している。

・中国ソフトウェア市場の実情
重要なことは言葉の問題です。トムラン(東洋電機の合弁企業)のように日本企業が、(中国)東北地方で言葉で問題がないのは、日本にいた留学生が現地に戻って働いているので、言葉の問題がなく、うまくコミュニケーションがとれている。この違いは、香港はこれまで欧米とつき合ってきたからです。もう一つは、中国本土は大きく3地区に分かれています。東北地方で製造したソフトウェアは、その地域でしか売れない。区域化されてしまう。東北のものを華南で売ることはとても難しい。だがら、中国(の市場)は3つに分かれているのです。そのための解決方法はいろいろあります。通訳を雇うとか、台湾には日本語が堪能な人を使うとか。ニーズさえあれば問題は解決できると思う。

中国市場の成長は速く、積極的で、外国資本を歓迎し、外国企業のパートナーを求めている。

●質疑応答
Q:マイクロソフトに対抗できるような提案があるか?
A:オープンリソースを守ることが重要。リナックスを使ってサポートしてい  る。そのプログラムは、?良港行程(出港)?揚帆行程(帆を張る)これに沿って中国大陸でテストする

Q:ソフトウェアを香港経由で輸出するメリットは何か?
A:香港の法的メリット、自由な制度の活用ができる。中国大陸と海外を  橋渡しできるから。

Q:日本が提携する場合、日本のデザインを香港ブランドで売り出すことに 
なるのか?

A:ソフトウェアでは、日本製品は優れているので中国大陸で製造し、販売 
する。インテクグレイとしてくこと。

前の記事

平成7年度事業実績